オーガニック商品を数多く取り扱う
まほろば
大橋 和則さん
札幌市内に2店舗を展開する自然食品店。「まほろば」とは、大和言葉で「良いものが集まる場所、心のふるさと」。店独自の仕入れ基準を設け、それを満たした生命力あふれる野菜・果物・海鮮などの生鮮品や自然と共に健康に生きるライフスタイルを実現するための生活用品を3,000品目以上扱っています。お話を伺ったのは、代表取締役社長の大橋和則さんです。
創業からもうすぐ40年。安心安全な食を提供し続けて
まほろばは、創業者の宮下周平、洋子夫妻が自分たちが食べるための食品を仕入れ始めたことがきっかけで誕生しました。取り扱っている商品は食品から生活用品まであわせて3,000点以上。それらはすべて「0-1(ゼロワン)テスト」というまほろば独自の仕入れ基準で選んでいます。人体によって良いものかを指を使って検証し、その基準を満たしたもののみを店頭に並べているのです。
まほろばの哲学は、老子の言葉にある「小国寡民(かみん)」。ローカルに目を向け、少ない民と小さい国で完結させていく。そんな理想を目指し地域で生産・流通・消費を循環させようと、27年ほど前からは店での自給自足を目指し、自社農場で野菜の生産・販売を開始。以降、天然、オーガニックのみの原材料で作られたさまざまな商品の開発に取り組んでいます。特に浄活水器「エリクサーⅡ」は国際特許を取得し、国内外の研究者から評価を得、いまや知る人ぞ知る逸品になっています。
商品を販売するにとどまらない、まほろばの役目
物と情報に依存した現代では、俯瞰して物事を見つめる力が乏しいと感じています。たとえば、自分にとって良いもの・ことが他人にも良い影響を与えるかどうかはわからない。そんな風に落ち着いて考えてみればわかることも、気づきにくくなっているのです。
大切なのは、物事の本質を捉えること。それに気づく場所にまほろばがなれたらと考えています。そのひとつとして行っているのが、月に一度発行している「まほろばだより」。単なる商品情報を並べるのだけでなく、消費者の疑問に答える一問一答を掲載したり、現在問題になっている北海道の風力発電の問題にフォーカスした課題を掲載するなど、お客様が「これからどう生きるか」を考えるヒントとなる情報を提供しています。それに加えて食生活を見直すセミナーを実施したり、さらには商品を先頭から取ってもらうように呼び掛けたポップを店内に置くなど、店を通してお客さんの意識を少しずつ変えていけたらと考えています。
目指すは、あたりまえの食生活をあたりまえにできるようにできる未来。どこでも安心安全なものを手に入れることのできる世界を作りたい。その活動の一環としてまほろばが行っているのは、月に数度実施する「お客様感謝デー」。まほろばで販売する商品は、一般的なスーパーで売られている商品よりも高い。それらを広く使ってもらうためには、少しでも経済的負担を軽減することが良い道なのではと考えました。そのために賞味期限の近いものや、メーカーさんの協力を得て、いつもよりも価格を下げてお客様に提供する機会を作っています。
道東製めんとの出会い。オリジナル商品の誕生
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、まほろばでは会長夫妻がコロナ禍での過ごし方を綴った『コロナと生きる』という本を作ったんです。それを読んだ増田社長が訪ねて来てくれたのが、道東製めんさんとの付き合いの始まりでした。
しばらくして道東製めんさんが国産小麦を使って餃子の皮を作っていることを知り、まほろばの自社商品として国産有機小麦を使って、餃子の皮を作ってもらうことに。そこから始まり、うどんやヤキソバなどへ広がっていきました。現在作っているのは有機のオリジナルラーメン。製麺に不可欠なかんすいも天然のモンゴルかんすいを使うことで、添加物を一切使わないラーメンの製品化に向けて奮闘しています。
生産者に求めているのは、感動のあるものづくり。感動して、もう一回買いたくなるような商品でなければ本物ではないと思っています。「有機だから」という基準ではなく、食べた瞬間に五感でおいしさを感じる、そんな「本物」を道東製めんさんと一緒に作っていけたら良いですね。
※焼きそばやうどんなども取り扱っています。